朝ドラ『あんぱん』第62話ネタバレ解説！二人の未来が重なる“はじまりの場所”へ

朝ドラ『あんぱん』第62話では、戦後を生きるのぶと嵩の再会に向けた物語がさらに深まっていきます。

嵩はようやく小さなイラストの仕事を受けることができ、再び“描くこと”に希望を見出し始めます。一方、のぶも新聞記者として「伝える使命」に真剣に向き合うようになり、二人はそれぞれの場所で前進し続けます。

そんな中で、物語はある「出発点」へと向かい始めます。それは、2人が最初にぶつかり合った“駅のホーム”。再会の予感が静かに、しかし確かに漂う回となります。

朝ドラ「あんぱん」第62話ネタバレ：嵩、小さな仕事から“描く喜び”を取り戻す

東京での生活がようやく少しずつ落ち着き始めた嵩。

ある日、よく通っていた商店街の豆腐屋の主人から「イベントのチラシを描いてくれんか？」と声をかけられます。

それはごく小さな依頼でしたが、嵩にとっては“描いてもいい”と認められる第一歩でした。

久しぶりに紙と鉛筆に向き合うその手は震えながらも、確かに“喜び”を取り戻していきます。

商店街のポスター制作を依頼される

「町のお祭りの告知なんやけど、嵩くんにお願いできたらうれしい」

そう言ってチラシのラフを手渡したのは、かつて疎開時に世話になった豆腐屋の主人でした。

嵩は最初、「自分なんかに務まるやろうか」と逡巡します。

しかし、見よう見まねで描いた“笑う子どもたちと屋台の絵”は、商店街の人々に好評を得ます。

「あんたの絵、見てたら元気出るわ」――そのひと言が、嵩の胸に染み渡りました。

「ありがとう」と言われた日、手が震えた

祭り当日、商店街の掲示板に貼られたポスターの前で、子どもたちが立ち止まり「かわいい！」と声をあげます。

嵩はその様子をそっと見守りながら、涙をこらえました。

そして帰り際、主人から受け取ったのは、わずかばかりの報酬と「ありがとう」の言葉。

その瞬間、嵩の指は微かに震え、もう一度「描いて生きていこう」と心に決めたのです。

これは“プロとしての再出発”の、小さな小さな火種でした。

朝ドラ「あんぱん」第62話ネタバレ：のぶ、記者として“誰かを照らす言葉”に目覚める

新聞記者として取材の日々を重ねるのぶ。

戦後の混乱の中で、必死に生き抜く人々の言葉を拾い上げ、文章に変えることに向き合っています。

しかし、この日出会った老夫婦との対話が、“書く”という行為が「照らすこと」だと気づかせてくれる転機になりました。

のぶの文章に、初めて“光”という言葉が宿ります。

炊き出し所の老夫婦の声に耳を傾けて

取材の途中、のぶは市街地の空き地で炊き出しを続ける老夫婦に出会います。

毎朝、少ない米と野菜を分け合いながらも、周囲に温かい笑顔を届けている2人。

「誰かが笑ってくれたら、今日も良い日になる」

その素朴なひと言に、のぶは胸を突かれました。

“生活”の中にある“まぶしさ”を、のぶは自分の言葉で届けたいと思ったのです。

記事の最後に込めた「光」という言葉

のぶは取材記事の締めくくりに、迷いながらもこう書きました。

「戦後の空に、はっきりとした光はまだ見えない。

でも、誰かの手の中に、小さな光が灯っている」

その記事は、編集部内で静かな反響を呼び、読者からも感想の手紙が届きます。

のぶは初めて、「書くことで誰かの心があたたかくなる」手応えを感じました。

それは、“言葉”がのぶの新しい武器になることを示した回でした。

朝ドラ「あんぱん」第62話ネタバレ：再び動き出す“ふたりの時間”

それぞれが別の地で前を向き始めたのぶと嵩。

その日常の中で偶然訪れた「原点の場所」こそが、2人の物語を新たに動かし始めます。

かつて出会った駅のホームで、交わされた思い出と再会の気配。

“会えない時間”を越えようとする2人の心が、静かに寄り添っていきます。

駅のホームで見つけた懐かしい貼り紙

のぶは、取材帰りに立ち寄った小さな田舎の駅で、ふと足を止めます。

そのホームの柱に、以前嵩が描いた「乗り遅れ注意！」のイラスト入り貼り紙が色褪せて残っていたのです。

「あれから、あん人もずっと描いちょったがやろか……」

のぶは小さく笑いながら、その貼り紙をそっと手のひらでなぞります。

その瞬間、嵩との記憶と、今もつながっている感覚が胸に広がりました。

のぶが口にした「そろそろ会いに行こうか」

その夜、帰宅後に妹のメイコとお茶を飲みながら、のぶはふとつぶやきます。

「そろそろ、会いに行こうか。あの人に」

メイコは何も言わずにうなずき、「いいタイミングかもしれんね」とだけ答えます。

のぶの心に、迷いはもうありませんでした。

2人の物語は、再会という“次の一歩”に向かって、確実に動き出していたのです。

朝ドラ あんぱん 第62話のネタバレまとめ

第62話は、のぶと嵩がそれぞれの場所で“自分にしかできない表現”を取り戻していく過程が描かれた回でした。

嵩は小さな依頼から再び絵を描き、人に喜ばれる経験を通じて「描く意味」に再び出会います。

のぶは人の言葉を拾い、記事という形で“光”を届けることに目覚めました。

再会へと向かう予兆が、物語全体を静かに温めていきます。

嵩の“描く意味”が誰かの笑顔と繋がる

商店街のポスター制作という地道な仕事でも、嵩は“誰かを笑顔にする”実感を得ました。

「ありがとう」と言われたその日、彼の手は震えていました。

それは過去のトラウマを越えて、“描くこと”を人生の真ん中に戻す第一歩だったのです。

のぶの“言葉”が再会への道しるべになる

記者としてのぶが紡いだ言葉に、多くの読者が心を動かされました。

「小さな光が誰かの手に宿る」――その一文は、彼女自身の祈りであり、希望の灯でもありました。

そして、かつて出会った駅のホーム。

のぶの口からこぼれた「会いに行こうか」の言葉が、次の展開への扉を開いたのです。