朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ解説！のぶ、初の“注文絵”に挑む／嵩の読書会に新メンバーが参加

NHK連続テレビ小説『あんぱん』第6週・第26話では、看板展と読書会の反響がじわじわと町に広がり、

のぶには「絵を描いてほしい」という“初めての注文”が舞い込みます。一方、嵩の読書会には新しい子どもが加わり、“伝えることの難しさ”と向き合う姿が描かれました。

この記事では『朝ドラ あんぱん 第26話 ネタバレ 解説』として、2人が新しい表現のステージに立ち始める姿を丁寧に追っていきます。

朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ：のぶに“絵の依頼”が届く

看板展をきっかけに町の中で注目される存在となったのぶに、人生で初めて“依頼”というかたちで絵の話が舞い込んできました。

それは、商店街の雑貨屋を営む老夫婦からの「家族の思い出を絵にしてくれないか」というお願いでした。

描きたいから描く——から、頼まれて描くという次のステージへ。

のぶは初めて、“絵に責任が生まれる瞬間”を迎えることになります。

町の雑貨屋から「家族の思い出を描いてほしい」

依頼の内容は、亡くなった祖母とその孫が一緒にお店に立っていた日々の様子を絵にして残したい、というものでした。

「あの子の描く絵には、なんや、気持ちが映っとるように見えるんよ」——そんな店主の言葉が、のぶの胸にじんわり響きます。

自分の絵が“記憶を形にする力”を持つことを、初めて他人の言葉で実感する瞬間でもありました。

のぶは「誰かのために描く」ことの重さを知る

今までは自由に描いていたのぶにとって、「誰かの大切な思い出を預かって絵にする」という行為は、まったく未知の挑戦でした。

「これで良かったんだろうか」「私の描いた絵が、あの人たちの心に残るだろうか」と不安がよぎる中、

のぶは“技術ではなく、誠意で描く”という新たな覚悟を育てていきます。

彼女の表現は、ここから“心を汲む”という領域へと進んでいくのです。

朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ：初めての“注文絵”に挑むのぶ

のぶが今回取り組むことになったのは、いわば「依頼主の人生の一場面を描く」仕事です。

自由に描けた看板展とは違い、今回は“相手の記憶をかたちにする”という責任がのぶの肩にのしかかります。

絵が完成したとき、それを見て涙を流す人がいるかもしれない——そんな重みを感じながら、のぶは筆を取ります。

モデルは亡くなった祖母と孫の思い出

依頼主が伝えたかったのは、亡くなった祖母が小さな孫と店先に並んで座り、夕方の陽を浴びながら話していた風景。

「あれが最後のふたりの時間やった」と、依頼主は語ります。

写真も何も残っていないけれど、その記憶だけは鮮やかに残っていると話すその声に、のぶは深く頷きます。

描くのは“景色”ではなく、“気配”なのだと気づいた瞬間でした。

資料がなくても“記憶から描く”覚悟を決める

いつもなら、写真や実物を見て構図を決めるのぶでしたが、今回はそうはいきません。

手元にあるのは依頼主の言葉と、ほんの少しのスケッチだけ。

しかしのぶは決意します。「記憶にあるものは、心に映っているから描ける」と。

その挑戦は、のぶにとって“想像力と共感力”の限界を試す経験となっていくのです。

朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ：嵩の読書会に“無口な新メンバー”が加わる

これまで少人数で穏やかに続いていた嵩の読書会に、新たな参加者が現れました。

それは、近所に引っ越してきたばかりの小学4年生の男の子・草介。

彼は本を持ってきてはいるものの、一言も話さず、本を開きもせず、ただ空を見て座っているだけでした。

その様子は、読むことや話すことに抵抗を感じている子どもたちの姿を象徴するようでもありました。

本を開かず、空を見つめていた少年

草介は、誰にも挨拶せず、椅子に腰をかけてただ静かに外の空を眺め続けていました。

それを見た他の子どもたちも最初は戸惑っていましたが、嵩は声をかけることなく見守り続けます。

「本を開くことだけが“読む”ことじゃない」——嵩のその姿勢が、会の空気を大きく変えていきました。

“見る”こと、“感じる”こともまた、読み方のひとつだという新しい視点が生まれていたのです。

「読む」とは何かを再び問い直す展開に

会の終わり際、草介は静かに言いました。「本の中に、空と似たにおいがした」

その一言に、読書会にいた全員が息を呑み、誰かが拍手するでもなく、ただ黙って頷きました。

文字を読まなくても、物語は“感じられる”——それが嵩にとっても新たな気づきとなりました。

“読む”という行為の輪郭が、少しずつ広がっていく瞬間が、そこには確かにありました。

朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ：表現が“町とつながる手段”として広がり始める

かつては内向きだった“表現”が、少しずつ町全体の中に溶け込み始めています。

のぶの絵も、嵩の読書会も、それぞれが「町と人とをつなぐ媒介」として息づき始めているのです。

表現は見せるためではなく、「分かち合うため」にある——そんな空気が町に静かに広がりつつありました。

のぶの絵が「贈り物」として町に根づく

のぶが描いた“依頼の絵”は、依頼主の雑貨屋の壁に、丁寧に額装されて飾られました。

訪れる人々はその絵を前に立ち止まり、話すこともなく、しばらく見入っている様子を見せます。

のぶの絵は「展示品」ではなく、「思いを贈る品」になったのです。

それは商売道具でも、自己主張でもない、“感情の共有”そのものでした。

嵩の読書会が“子どもの心の居場所”になる

嵩が開く読書会も、徐々に評判を呼び、参加する子どもたちの顔ぶれが変化していきます。

言葉をたくさん持っている子だけでなく、話すのが苦手な子、じっと黙っている子も自然にその輪に入っていくのです。

“読む”という行為を通して、自分のままでいていいと感じられる場所。

それが、嵩が本当に作りたかった空間であり、その形がようやく見え始めていました。

朝ドラ『あんぱん』第26話ネタバレ解説のまとめ

第26話では、のぶと嵩のふたりが“自分のための表現”から“誰かのための表現”へと踏み出す様子が丁寧に描かれました。

看板展や読書会というイベントがきっかけとなり、ふたりの表現は町の人々と静かにつながり始めています。

この物語は「夢を追う話」ではなく、「日常に根ざした表現の物語」として深みを増しています。

のぶも嵩も“誰かのために表現する”段階へ

のぶは、亡き祖母との記憶を絵に残したいという願いを受け取り、自分の技術ではなく“心”で応える決意をしました。

一方、嵩は本を読まない少年の存在によって、「読むとは何か」「語らないとは何か」という根本的な問いに再び立ち返ります。

ふたりが“相手の心に寄り添う表現”にたどり着いたことで、物語は新たな段階へと進みはじめました。

次回は完成した絵と、読書会での“静かな気づき”に注目

次回第27話では、のぶが完成させた「注文絵」を通して、依頼主との心の交流が描かれることが期待されます。

また、嵩の読書会では草介との関係が少しずつ深まり、“言葉では伝わらない想い”をどう受け取るかがテーマになっていくでしょう。

感情を丁寧にすくい取るドラマの真骨頂が、ここからさらに発揮されていくはずです。