朝ドラ『あんぱん』第107話ネタバレ！嵩の初連載に試練、のぶの覚悟も深まる

NHK朝ドラ『あんぱん』第22週・第107話では、ついに嵩が漫画家として初連載に挑戦する姿が本格的に描かれます。

しかし、夢の実現の裏には想像以上のプレッシャーと葛藤が待ち受けており、嵩は自分の限界と真剣に向き合うことに。

一方、のぶも嵩を支えながら、記者として“伝える覚悟”を深めていきます。2人の関係性がさらに深まる、見逃せない一話です。

朝ドラ「あんぱん」第107話ネタバレ：嵩の連載スタート！現実の壁に直面

第107話では、嵩がついに商業誌での初連載を開始するという、漫画家としての大きな一歩を踏み出しました。

夢にまで見た連載開始――しかし、喜びの先に待っていたのは、想像以上に過酷な「プロの世界」の現実でした。

嵩の表情からは高揚感だけでなく、プレッシャーと焦りがにじみ出ており、視聴者もハラハラと見守る展開となりました。

原稿が進まない…プロの厳しさを知る

締切まであと3日というタイミングで、嵩の机の上にはまだ白紙のネームが数ページ分。

アイデアはある、描きたい気持ちもある――けれど、“読者に伝える作品”として形にする難しさが彼を苦しめます。

のぶが声をかけても返事をしないほど集中しているが、実は進んでいない。

「こんなはずじゃなかった」という戸惑いの中、嵩は夢を叶えた今だからこそ、次の壁にぶつかっているのです。

村井編集者からの容赦ない指摘

ようやく描き上げた第1話の下描きを出版社へ持ち込むと、編集者・村井からは思いがけず厳しい言葉が。

「悪くない。でも、“誰かに読まれる”ことを、もっと意識しろ」

自分では力を出し切ったと思っていた嵩は、その指摘にショックを受けます。

しかし村井は続けてこうも言います。

「君の描きたいことは伝わる。だからこそ、届け方を磨け」

否定ではなく“期待”を込めた指摘であることに気づいた嵩は、目を伏せながらも深くうなずきました。

このやりとりは、夢の実現がゴールではなく、むしろスタートであるという現実を、強く印象付けるものでした。

朝ドラ「あんぱん」第107話ネタバレ：のぶが見つけた“伝える意味”

第107話では、のぶが記者として働く中で、「伝える」ということの本質的な意味に気づく大切なシーンが描かれました。

これまでのぶは、文章を「うまく書くこと」や「伝わるようにまとめること」に意識を集中させてきましたが、それだけでは足りない“何か”に気づき始めたのです。

その気づきは、パン屋「しののめ堂」の店主・志乃との会話から生まれました。

志乃からの一言が心に刺さる

ある朝、のぶはしののめ堂を訪れ、志乃と世間話を交わします。

嵩の様子がどこかおかしいと話すのぶに、志乃は穏やかにこう答えます。

「人に何かを届けるのは、ようけ気力がいるもんよ。けんど、それを受け取ってくれる人がいたら、その分だけ力にもなる」

この一言は、のぶの胸に深く響きました。

“誰かに届く”とは、単に発信することではなく、その人の人生に寄り添うこと。

その本質に触れた瞬間、のぶの記者としての意識は明らかに変化し始めたのです。

記事に込める“誰かのため”の視点

職場に戻ったのぶは、新たに担当することになった特集記事の構成に悩んでいました。

これまでは「読ませる」文章を目指していましたが、ふと志乃の言葉を思い出します。

そして原稿の冒頭にこう書き加えます。

「この文章は、あの日あの店で“言葉をかけてくれた人”へ向けて書いています」

のぶの文体は変わらず丁寧で静かですが、そこには今までになかった温かさと具体性が宿っていました。

“伝えることは、誰かの心に触れること”という気づきが、彼女の記者としての姿勢を確実に変え始めています。

朝ドラ「あんぱん」第107話ネタバレ：2人のすれ違いと再確認する想い

第107話では、嵩とのぶの間にすれ違いと沈黙が生まれる、心の揺れが繊細に描かれました。

同じ空間にいながらも、互いに声をかけづらい時間が流れる――そんなリアルな感情の機微が、視聴者の共感を呼びました。

“夢に向かう”という強い目的があるからこそ、支え合うはずの2人に距離が生まれる。それが、この回のテーマのひとつです。

言葉にできない苛立ちと寂しさ

嵩は連載のプレッシャーからイライラを募らせ、のぶの問いかけにも冷たく返してしまいます。

一方ののぶも、職場では認められつつあるものの、家に帰れば冷えた空気にさらされ、「私たち、何のために東京に来たんだろう？」と自問します。

ある夜、嵩が台所でため息をついていると、のぶがそっと近づき、声をかけます。

「ねえ、怒ってるんじゃないよね？ 苦しいだけだよね」

この一言に、嵩はしばらく沈黙し、「うん、ごめん」と答えました。

気持ちを言葉にできない2人が、ようやくほんの少し心を近づけた瞬間でした。

「信じること」が2人の支えに

その夜、2人は小さなちゃぶ台を囲みながら、言葉少なに夕食をとります。

のぶはふと、「信じるって、なんやろね」とつぶやき、嵩が答えます。

「相手が立ち止まっても、後ろから見守ることやと思う」

“励ますこと”ではなく、“そばにいること”が信じるという形であることに、2人は気づき始めます。

夢を追うがゆえの衝突やすれ違い、それでも手を離さない覚悟。

この場面は、2人の絆を再確認する重要なシーンとして、多くの視聴者の心を打ちました。

朝ドラ「あんぱん」第107話ネタバレ：草吉の言葉が導く“生きる芯”

第107話の後半では、嵩とのぶが再びパン職人・草吉と会い、彼の飾らない言葉が2人に深い気づきを与える重要な場面が描かれました。

草吉はいつもと変わらぬ様子でパンを焼きながら、夢や表現に悩む2人の話を静かに聞き、その中でふとした一言が心に刺さります。

派手ではないが、確かな芯を持った“人生の師”としての草吉の存在感が、際立った場面でした。

「パンは心を焼く」——職人の信念

草吉は、嵩が「連載が始まっても、描きたいことがぶれてきた」と打ち明けると、こう返します。

「パンはのう、材料より気持ちで焼くもんや。形がよかろうがなかろうが、そいつが“誰かのため”に焼かれたもんなら、うまいもんができる」

この言葉に、嵩は黙り込みます。

それは、自分が漫画を「見せるため」だけに描こうとしすぎて、本来の“描きたい心”を見失っていたことへの気づきでした。

草吉の言葉は、物を作る者すべてに通じる“生き方の教え”であり、それは嵩の創作の軸を再び整えるものとなったのです。

嵩の創作にも影響を与える一言

草吉と別れた後、帰り道でのぶが「パンは心で焼く。あんたも、心で描けばいいんじゃない？」とぽつりとつぶやきます。

その言葉に、嵩は初めて表情を緩め、「俺、ちょっと描いてみたい場面が浮かんだ」とつぶやきます。

嵩の中で、原点を思い出すような感情の火がともった瞬間でした。

視聴者にとっても、草吉の言葉は“自分の人生の芯”を再確認するヒントとなったことでしょう。

この場面は、静かで温かく、そして心に強く残る名場面のひとつとして印象づけられました。

朝ドラ『あんぱん』第107話のネタバレまとめ

第107話は、嵩とのぶがそれぞれの道で壁にぶつかりながらも、再び“原点”を見つめ直すという、静かな転機の回でした。

嵩はプロとしての連載が始まるも、プレッシャーや読者への意識に苦しみ、のぶも記者として“伝える”意味を深く考える時間を過ごします。

心の揺れ、すれ違い、そして支え合いが丁寧に描かれた、感情豊かな一話でした。

夢のスタートラインで揺れる2人の覚悟

「夢を叶えた」からこそ見えてきた新たな課題。

嵩は「描く意味」を、のぶは「伝える理由」を自らに問い直し、それぞれがプロとしての意識を少しずつ深めていく姿が印象的でした。

2人の歩みはまだ不安定で迷いも多いですが、それこそが“挑戦のリアル”として視聴者の胸に響きます。

支え合うことで見えた“本当に描きたいもの”

すれ違いを経て、再び向き合う嵩とのぶ。

草吉の言葉に導かれながら、2人は「何のために描くのか」「誰のために伝えるのか」という根本に立ち返ります。

信じること、見守ること、そして寄り添うこと――それが2人の絆をさらに強くしていきました。

第107話は、嵩とのぶがともに“芯”を取り戻し、次への一歩を踏み出す準備が整ったことを感じさせる、静かで力強い物語でした。