朝ドラ『あんぱん』第115話ネタバレ！離れていても支え合う“2人の現在地”

2025年前期NHK朝ドラ『あんぱん』第23週・第115話では、のぶが東京本社で新しい記事作成に取り組み、嵩は編集部からの反応を受けて新たな創作へと進み始めます。

物理的には離れていても、お互いの存在を深く意識しながら、自分の役割と夢に向き合う2人の姿が丁寧に描かれました。

“あなたに見てほしい”“君の声を届けたい”——そんな静かな思いが交差する感動回です。

朝ドラ「あんぱん」第115話ネタバレ：のぶ、東京で新たな取材テーマに挑戦

第115話では、のぶが東京の下町で新しい取材を始める様子が描かれました。

華やかさの裏側にある、日々を懸命に生きる人々の声。

そこにこそ“伝えるべき価値”があると信じるのぶの姿勢が、再び静かに輝きを放ちます。

下町の豆腐屋で出会った“暮らしの声”

のぶが足を運んだのは、創業70年の豆腐店。

高齢のご夫婦が営むその店には、朝から常連客が次々と訪れます。

「昔はね、豆腐で腹ふくれたんよ」というおばあさんの言葉に、のぶはペンを止めます。

それは、“小さな暮らしの中にある物語”であり、のぶが地方で積み重ねてきた取材の原点とも重なりました。

編集会議で問われる「ニュースの価値」

編集会議でのぶは、その豆腐店の記事企画を提案します。

すると同僚からは「それ、どこがニュースなの？」という声が。

のぶは一瞬黙るも、すぐに口を開きます。

「たしかに、大事件ではありません。けど、この街に生きる人たちの“今”やと思います」

大きな声じゃないけど、確かにそこにある“声”を拾いたいというのぶの信念が、静かに編集部に響きました。

記者としての“らしさ”が戻ってきた瞬間でもありました。

朝ドラ「あんぱん」第115話ネタバレ：嵩、編集者との対話から次作のヒントを得る

第115話では、嵩が担当編集者との対話の中で次作の方向性を見出すシーンが描かれました。

一作目を描き上げた安堵感と同時に、「次はどう描くか」というプレッシャー。

その迷いを“言葉”で照らしてくれたのが、編集者のさりげない一言でした。

「読者の心を揺らした」評価の声

編集部に呼ばれた嵩は、担当編集者・黒田と向き合います。

一見無口な黒田が、原稿を手にこう告げます。

「俺、あの1ページ目で泣いたよ。読者の心、確かに揺らしたぞ」

その言葉に、嵩は驚いたような表情を浮かべます。

“読者”の存在が、遠くにあった自分の中に、初めてリアルに入ってきた瞬間でした。

日常をすくい取るヒーロー像へ

嵩が描いたヒーローは、声をあげず、ただ隣にいるような存在。

それに対して黒田は言います。

「今の時代、叫ばない正義が一番むずかしい。でも、いちばん沁みるんだよ」

この言葉が、嵩の胸に深く刺さります。

彼はスケッチブックを開きながらつぶやきます。

「大声じゃないけど、届けたい。あんたのことを描きたい」

その“あんた”が、誰なのかは明言されません。けれど、それがのぶであることを、視聴者は感じ取ることができる描写でした。

嵩は今、ただ絵を描いているのではなく、“誰かに届けたい”という祈りを描いているのです。

朝ドラ「あんぱん」第115話ネタバレ：手紙でつながる2人の“心の定位置”

第115話では、のぶと嵩が手紙のやり取りによって心の距離を埋めていく様子が丁寧に描かれました。

声には出せない思い、言葉にしづらい感情を、手書きの文字に託す2人。

“離れているからこそ伝えられること”の大切さを、改めて感じさせる場面となりました。

のぶが綴る“仕事と不安と夢”

東京での日々を書いたのぶの手紙には、編集部での悩みや、豆腐屋のおばあさんとの会話、そして不安と少しの誇りが詰まっていました。

「こっちでも、やっぱり迷うことばっかり。でも、ちゃんと“わたしの言葉”で書こうと思うちゅう」

その文字を見つめながら嵩は深く息を吐き、そっと目を閉じます。

言葉が、彼女の中にある揺るぎない芯を映し出していると感じたのです。

嵩が描いた一枚のスケッチの意味

嵩からの返事には短い言葉と、のぶを思わせるキャラクターのスケッチが添えられていました。

「そっちの空は、どんな色なが？ こっちはちょっと曇りやき」

描かれていたのは、傘を差して空を見上げる少女。

のぶはスケッチを見ながら、静かに微笑み、そっと胸元にしまいます。

言葉と絵がつなぐ、2人の“心の定位置”がそこには確かに存在していました。

朝ドラ「あんぱん」第115話ネタバレ：草吉が語る「味は心でつくる」

第115話の後半では、パン職人・草吉が嵩のアトリエを再び訪れ、“ものを作るということ”について語る印象的な場面が描かれました。

パンと漫画、形は違っても、そこに込められる想いには通じるものがあります。

草吉の職人としての哲学が、嵩の創作にも深い影響を与える回となりました。

パン作りの哲学が嵩の創作に通じる

「これ、昨日焼いたがや」と言って草吉が差し出したのは、あんことバターが挟まれたほかほかのコッペパン。

「忙しい朝でも食べられるようにって思うて作った。けどな、いっつも最後は“この人に食べてもらいたい”って思うがや」

“誰かを思って作ること”が、味の正体だと草吉は語ります。

それを聞いた嵩は、ハッとしたような表情で頷きながらパンをかじります。

「あの子に届けたかった味」

草吉はふと、店に来ていた子どもの話をし始めます。

「よう泣きよった子がおってな。けど、パン食べてる時だけは笑いよった。あの子に届けたかったがや、あの味を」

その言葉に、嵩は原稿用紙を手にしながら、ゆっくりとつぶやきます。

「俺も…誰かに届けたくて描きよったのかもしれん」

草吉の“味の記憶”が、嵩にとっての“描く意味”と重なった瞬間でした。

思いを込めることが、作る者の原点であることを、嵩は改めて胸に刻みます。

朝ドラ『あんぱん』第115話のネタバレまとめ

第115話は、のぶと嵩が離れた場所でそれぞれの表現に向き合う姿を描いた、心に沁みるエピソードとなりました。

東京で新たな取材に挑むのぶ、高知で漫画に命を吹き込む嵩。

物理的な距離を超えて、心がつながっていることを証明するような一日でした。

のぶと嵩、離れていても同じ未来を見ている

のぶは「暮らしの声」を拾い、嵩は「声なき正義」を描く。

それぞれの方法で、“誰か”に届けたい想いが形になりつつあります。

2人は異なる道を歩みながらも、同じ未来を信じて前に進んでいるのです。

言葉・絵・味、それぞれの“表現”が結ぶ縁

のぶの文章、嵩の漫画、草吉のパン——。

それぞれの表現が、誰かの心に寄り添う手段であり、“思いを伝える”という共通点を持っています。

そして、その中心にはいつも“誰かを想う気持ち”がある。

第115話は、その原点に静かに立ち返る一話となりました。