朝ドラ『あんぱん』第110話ネタバレ！のぶの原稿が話題に、嵩の“描きたいもの”が再び見える

NHK連続テレビ小説『あんぱん』第22週・第110話では、のぶが担当した記事が予想以上の反響を呼び、記者としての存在感を高める展開となりました。

一方、嵩は創作の迷いから少しずつ回復の兆しを見せ、あらためて“描きたいもの”と向き合おうとします。

夢を追う2人の再スタートを静かに、力強く描いた回。心にしみる言葉が散りばめられた内容となっています。

朝ドラ「あんぱん」第110話ネタバレ：のぶの原稿が話題に！読者の反応と周囲の評価

第110話では、のぶが手がけた新聞特集記事が掲載され、予想以上の反響を呼ぶという展開が描かれました。

派手なテーマではなく、日常を丁寧に切り取った記事だからこそ、多くの読者の共感を集めたのです。

のぶの“言葉の力”が周囲を動かし始める、記者としての大きな一歩が刻まれました。

新聞に掲載された特集が注目を集める

のぶが担当したのは、復興途上の東京で懸命に生きる人々の声を集めた特集記事。

タイトルは《東京の朝に聞く》。市場の魚屋、路面電車の車掌、早朝にパンを焼く草吉――誰もが口にした一言が、のぶの文章によって温もりを持って綴られていました。

読者投書欄には「この特集を読んで、朝が少し明るくなった」といった声が寄せられ、編集部内でも注目されます。

「この記者は、これから伸びるぞ」と声をかけられたのぶの表情は、驚きと喜びが入り混じったものでした。

「あの記者さんの文章、沁みた」との声

しののめ堂の志乃が新聞を手に取り、「これ、あの子が書いたが？そりゃ沁みるわねえ」と呟きます。

客の一人が「人の気持ちが分かる人が書いたって、よう分かる」と応じ、のぶの原稿が街の中で自然と読まれていることが明らかに。

それは、のぶが心を込めて書いた言葉が、確かに誰かに届いた証でした。

日々を生きる誰かの背中をそっと支えるような、そんな記事が静かに社会に根付いていく描写に、視聴者の心も温まりました。

朝ドラ「あんぱん」第110話ネタバレ：嵩、草吉の言葉を思い出し“描く力”を取り戻す

第110話では、嵩が深い迷いの中で、草吉の言葉をふと思い出すことで、再び“描く気持ち”を取り戻すという大きな変化が描かれました。

創作とは、技術だけではなく「心」が伴ってこそ意味を持つという、草吉の哲学。

その核心に触れることで、嵩の中に再び“描きたい”という感情が芽生えていきます。

「パンは心で焼く。絵も同じや」

ふとした瞬間、嵩の脳裏に浮かんだのは、以前草吉が言ったひと言。

「パンは心で焼く。絵も同じやろ。描くがが楽しいか？ ほんなら、それでええやん」

その言葉を思い返したとき、嵩の目に涙が浮かびます。

「楽しくなかった。最近の俺の絵、誰のためでも、何のためでもなかった」とつぶやく姿は、自身と向き合う痛みと、それでも描きたいという純粋な欲求が表れていました。

描きたかったのは“正義の側にいない人”

嵩はスケッチブックを開きながら、のぶに語ります。

「俺、ヒーローを描きたいんやない。正義の側にいられん人らを、ちゃんと描いてあげたいがや」

子どもの頃、自分が“弱い側”だった記憶、助けられなかった悔しさ。

それが今も彼の芯にあり、「アンパンマン」の原型ともいえる“逆転しない正義”というテーマが、再び輪郭を持ち始める瞬間でした。

嵩にとって、描くことは過去と未来をつなぐ行為なのだと、あらためて感じさせられる場面でした。

朝ドラ「あんぱん」第110話ネタバレ：のぶと嵩、夕暮れの河原で語り合う

第110話の後半では、のぶと嵩が東京の片隅、夕暮れの河原で静かに語り合う名シーンが描かれました。

特別な言葉ではなく、素直な気持ちを少しずつ伝え合う2人のやり取りは、これまでの時間と積み重ねを感じさせます。

“夢を追うこと”と“誰かと生きること”の間にある、ささやかな確信が、穏やかな夕景の中で静かに紡がれていきます。

「わたし、あなたの絵に救われちゅう」

河原の堤防に並んで腰を下ろした2人。

のぶは、新聞に寄せられた読者の感想を嵩に読んで聞かせた後、ふとつぶやきます。

「嵩の絵、見よったら思い出すがよ。小さい頃、しんどかった時に、あんたの落書きが笑わせてくれたこと」

嵩は照れたように目をそらしますが、のぶは続けます。

「わたし、あなたの絵に救われちゅう。ずっと前から」

その言葉は、嵩にとって何よりの原動力となるものでした。

“描いていいんだ”という許しと、“見てくれている人がいる”という実感が、彼の心を再び動かします。

2人が笑い合った瞬間に宿る希望

のぶの真剣な表情に気づいた嵩は、ふっと力を抜いて笑います。

「あんた、ようそんなこと恥ずかしげもなく言えるな」と言うと、のぶも笑い返し、「書くがが記者の仕事やき」と返します。

堅く閉ざされていた心が、言葉によってほぐれ、自然な笑いが生まれる瞬間。

それは、2人の絆が“支え合う”から“信じ合う”へと変わり始めた証でもありました。

夕陽の下で交わされたたった数分の会話が、嵩にとって、次の一歩を踏み出すための大きな光となったのです。

朝ドラ「あんぱん」第110話ネタバレ：嵩、再びペンを握る決意

第110話のラストでは、嵩が静かな部屋の中で再びペンを握る決意を固める姿が描かれました。

迷い、立ち止まり、自分を見失いかけた時間を経て、今ようやく「描きたい」という本当の気持ちが戻ってきたのです。

その一歩は小さいけれど、確かな力を持った“再出発”の瞬間でした。

真っ白な原稿用紙に向かう夜

ちゃぶ台の上に広げられた原稿用紙。

のぶが眠ったあと、嵩は一人静かにペンを手に取り、深く息を吐きます。

「描けるろうか」とつぶやいた後、「…いや、描きたい」と声に出します。

その言葉には、前回までの“義務”ではなく、自発的な熱意が宿っていました。

ペン先が紙に触れる音が、夜の静寂に心地よく響き、視聴者にも嵩の決意が伝わる演出となっています。

「今度は自分のために描いてみたい」

嵩はページの端に、力強い線でキャラクターのラフスケッチを描き始めます。

表情はまだ定まらず、線も不揃い。それでも、その絵には“描きたい”という気持ちそのものがにじんでいました。

「今度は、自分のために描いてみたい」――その独り言は、嵩の創作人生にとって新しい扉の鍵となります。

他人の評価ではなく、自分の内側から生まれる表現への回帰。

それは、後に“アンパンマン”という唯一無二の作品へとつながっていく、第一歩なのかもしれません。

朝ドラ『あんぱん』第110話のネタバレまとめ

第110話は、のぶと嵩がそれぞれの場所で“伝えること”と“描くこと”の意味に立ち返り、再出発を決意する物語が丁寧に描かれました。

のぶの書いた記事が人々の心に届いたことで、彼女は記者としての力を確かめることができました。

一方、迷い続けていた嵩も、自らの原点を思い出し、静かにペンを取る決意を固めました。

のぶの言葉が力になり、嵩が一歩を踏み出す

「あなたの絵に救われた」――のぶのこの一言が、嵩の心を動かしました。

支え合うだけではなく、互いに“表現者”として影響を与え合う2人の関係が、深く印象に残ります。

迷いの中で交わされた静かな対話が、次の一歩を後押しする、そんな希望に満ちたラストでした。

日常の中の小さな光が未来を照らす

六畳一間の下宿部屋、夕暮れの河原、しののめ堂のあんぱん――特別なことは起きないけれど、日常の中に宿る言葉や出会いが、未来への力となっていきます。

今回のエピソードは、小さな気づきが、大きな転機になることを静かに教えてくれる、美しい回となりました。

次回、嵩はどんな物語を描き始めるのか――そしてのぶの文章は、誰の心に届いていくのか。

それぞれの道が、再び動き出す気配に満ちた、希望あふれる一話でした。