朝ドラ『あんぱん』第123話ネタバレ！のぶと嵩に訪れる“選択”の時

2025年度前期NHK朝ドラ『あんぱん』第123話では、のぶと嵩の二人に人生の“選択”を迫る出来事が訪れます。

のぶは新たな特集企画のオファーを受け、記者として“書くべきテーマ”を問われます。

一方の嵩は、漫画の題材として“戦争”を描く提案をされ、これまで目を背けてきた過去と向き合うことになります。

“何を伝えるべきか”という問いが2人の胸に重くのしかかる、静かで熱い回となりました。

朝ドラ「あんぱん」第123話ネタバレ解説！：のぶ、記者として“書く覚悟”を問われる

第123話では、のぶが記者として新たなステージへ踏み出すための“覚悟”を問われる瞬間が描かれました。

それは突然やってきた編集長からの呼び出しによるもので、これまでの取材や記事が高く評価された結果としての新たなチャンスでもありました。

しかしその提案は、のぶにとって“書きたいこと”と“書くべきこと”の狭間で揺れる難しい問いでもあったのです。

編集長から提示された新たな特集

「次の特集、任せたい案件がある」——編集長のその一言に、のぶは一瞬表情を強張らせます。

提案されたのは、戦後の孤児やハンセン病患者など、長年“声を上げることが許されなかった人々”をテーマにした連載記事。

「これまでのように誰かの側に寄り添うだけでなく、社会の核心に切り込む取材が求められる」と、編集長は静かに告げます。

のぶはその場では答えられず、思案を重ねながら帰路につくのでした。

のぶが選ぶ“書くべき相手”とは？

帰宅後、のぶは机に向かってメモ帳にこう書き出します。

「私は誰の言葉を伝えたい？誰に届けたい？」

過去に出会った取材対象者の顔が次々に浮かびます。

目立たない場所で、静かに生きてきた人々——その“声なき声”を思い出し、のぶは一つの結論にたどり着きます。

「この人たちの声を、届けんかったら意味がない」

のぶが選んだのは、世の中にとって“耳障りな現実”かもしれないが、それでも目を逸らしてはならないテーマ。

その決意が、次回への伏線としてしっかりと描かれました。

朝ドラ「あんぱん」第123話ネタバレ解説！：嵩、“描かない”ことで守ってきた記憶と向き合う

第123話では、嵩がこれまで“描かない”ことで守ってきた心の領域に、編集者からの提案をきっかけに向き合わざるを得なくなる場面が描かれました。

戦争というテーマ、それは嵩にとって“父との記憶”や“語られなかった家族の過去”と直結する、触れたくない領域だったのです。

しかし今、表現者として社会に対する役割を問われたとき、嵩は初めてその扉の前に立ちます。

編集者・黒田からの提案に揺れる

「次の連載で、“戦中・戦後の子ども”を描いてみないか？」

黒田から出されたその言葉に、嵩は硬直したまま、黙ってうなずくことも拒否することもできません。

戦争を語ること、描くことは、自分にとってあまりにも重い。

父・清が戦争のことをほとんど話さなかった記憶。

祖父・寛が語ろうとしなかった町の過去。

それを今、自分が作品として描いていいのか？

嵩は、自分の“描かない選択”が誰を守り、誰を置き去りにしてきたのかを考え始めます。

「描くことでしか超えられない」過去の重み

その夜、嵩はふと父・清の残した日記帳を手に取ります。

ページをめくると、戦地での生活、仲間のこと、帰還後の罪悪感が綴られていました。

「これは、お前にしか描けんがやないか」

ふと浮かんだのは、恩師・座間の言葉。

嵩は、描くことで過去を否定するのではなく、受け継ぐ手段にするという“表現の可能性”に気づき始めます。

「逃げずに、描いてみよう」——嵩の中に静かに芽生えたその覚悟が、新たな一歩を示していました。

朝ドラ「あんぱん」第123話ネタバレ解説！：草吉、何も言わず背中で語る

第123話では、嵩とのぶがそれぞれ人生の大きな選択に直面する中、しののめ堂の草吉が“言葉ではなく行動”で2人を支える姿が描かれました。

多くを語らず、変わらぬ日常を守り続ける草吉の存在は、2人にとって“安心できる場所”そのものです。

何気ない仕草や間に込められた“思いやりの深さ”が、視聴者の胸にも静かに響いたシーンでした。

のぶへの差し入れに込めた“答えない答え”

のぶの元には、またしても高知から草吉のあんぱんが届きます。

今回の包みには、手紙もメモも添えられていませんでした。

ただ、包装紙の折り目が丁寧で、どこか“いつもより念入りに包まれていた”ことに気づいたのぶは、微笑みながらこう呟きます。

「草吉さん、分かっちゅうがやろうね。何も聞かんでも」

“言葉を添えないこと”が、草吉なりの応援。

その無言の差し入れは、のぶにとって大きな励ましとなっていました。

嵩に差し出した一冊の絵本と沈黙

しののめ堂を訪れた嵩に、草吉は黙ったまま一冊の古い絵本を差し出します。

表紙には、焼け跡の街を歩く兄妹のイラスト。

「これ……昔、親父が好きやったやつや」

驚いた嵩がそう呟くと、草吉はただ一言。

「お前さん、描くときゃ、これ見てから描け」

それ以上、草吉は何も言わず、焼き立てのあんぱんを並べ続けました。

草吉の背中が語るのは、“黙っていても、信じている”という想い。

言葉の代わりに、味と記憶と静けさで支える草吉の在り方が、2人の心をまたそっと前へ押していきます。

朝ドラ「あんぱん」第123話ネタバレ解説！：のぶと嵩、それぞれが選ぶ“伝える”という道

第123話の終盤では、のぶと嵩がそれぞれの“表現”に対し、自分自身の意志で「伝える」ことを選び取る姿が描かれました。

誰かに言われたからでも、流れに乗ったわけでもない。

自分の心が選んだ“伝える理由”を胸に刻んだ瞬間が、静かに強く心を打ちました。

誰かのために書く覚悟、描く勇気

のぶは、編集部に戻って編集長に言います。

「このテーマ、私がやります。ただ、取材される方と一緒に、覚悟して進みたいです」

その声は震えておらず、むしろ静かに深い決意に満ちていました。

ただ情報を伝えるのではなく、“伝えることの責任”を自分の言葉で背負う覚悟。

一方の嵩も、原稿のネーム用紙に大きく「戦火のなかの子どもたち」と書き始めます。

「怖い。でも…今しか描けん気がする」

嵩の手は震えていましたが、ペン先は確かに前に進んでいました。

すれ違っても、同じ場所を目指して

この回では、のぶと嵩の直接的な再会は描かれませんでした。

しかし、のぶが手帳に書き込んだ言葉と、嵩が絵の中に込めた想いが、不思議なほどにリンクしています。

「届けるだけじゃない。“ともに生きる”ことが、伝える理由だ」

2人の表現は別々の場所にあっても、目指す場所は同じ。

“伝えることで、誰かを支える”という信念が、2人を再び交差させる運命を予感させる展開でした。

朝ドラ『あんぱん』第123話のネタバレまとめ

第123話では、のぶと嵩がそれぞれに“何を伝えるのか”という人生の岐路に立ち、選択する姿が描かれました。

それは単なる仕事の選択ではなく、自分自身の生き方と信念に向き合う決意でもありました。

伝えるとは何か、その意味を深く掘り下げる静かで力強い物語が紡がれました。

“伝える”という行為の本質に迫った回

のぶは、声をあげづらい人々の言葉を社会に届ける記者としての使命を再確認し、

嵩は、封印していた戦争というテーマにあえて挑むことで、漫画家としての役割に踏み出します。

2人の決断には、“伝える責任”と“受け取る側への敬意”が通底していました。

静かに始まる、表現者としての次なる挑戦

草吉が言葉を添えずに示したさりげない支えも、2人の決意に静かに寄り添い、後押しします。

再び重なることのない日々の中で、それでも“同じ空を見上げているような連帯感”が描かれた一話でもありました。

記者として、漫画家として、人として——それぞれの表現を通じて世界とつながる2人の挑戦が、ここから本格的に始まります。