朝ドラ『あんぱん』第117話ネタバレ！“届ける意味”を深めるのぶと嵩の決断

2025年度前期NHK朝ドラ『あんぱん』第24週・第117話では、のぶが取材現場で触れた言葉に心を揺さぶられ、「書くこと」の意味をあらためて見つめ直します。

一方、嵩もまた、自身の漫画に込めるべき“想い”を明確にし始め、次の物語への第一歩を踏み出そうとしています。

“誰かに届ける”という表現の本質に向き合う2人の姿が、静かに、そして力強く描かれる感動回となりました。

朝ドラ「あんぱん」第117話ネタバレ：のぶ、現場で耳にした言葉に心を動かされる

第117話では、のぶが東京での取材中に“記者としての原点”を揺さぶられる出来事に直面します。

淡々と記事を書き続ける毎日に少しずつ慣れながらも、「このままでいいのか」という内なる問いが、彼女の中に芽生えていたのです。

そんな矢先、取材先の住民からの何気ない一言が、のぶの胸に深く残ります。

「書いてくれて、ありがとう」と言われて

のぶが今回取材したのは、区画整理で立ち退きを迫られている古い商店街の一角。

小さな文具屋を営むおばあさんに話を聞き、記事にまとめた後、彼女から渡された便箋にはこう書かれていました。

「こんな小さな店を、わざわざ書いてくれてありがとう。孫が記事を切り抜いて壁に貼ってくれました」

「ありがとう」と言われた瞬間、のぶは初めて“書くこと”が誰かの救いになっていたと気づきます。

それは、原稿用紙の向こう側に確かに人がいるという実感でした。

のぶが見つけた“記者としての原点”

編集部に戻ったのぶは、記事の再校を前に机に向かいながら、ふと呟きます。

「私、ずっと“伝えなきゃ”って思いよったけど…、ほんとは“届いてほしかった”がや」

“伝える”ではなく“届ける”という視点を得たことで、のぶの文章に新たな深みが生まれはじめます。

記事ではなく、“人の声を包む手紙”のような文章を——のぶは記者としてのあり方を少しずつ変え始めているのです。

朝ドラ「あんぱん」第117話ネタバレ：嵩、自身の描くテーマを定め直す

第117話では、嵩が漫画家としての“自分らしさ”を再確認する姿が描かれました。

一作目の評価を受けつつも、売れ行きや編集部の期待に押され、次回作への迷いと焦りを抱える嵩。

そんな中、彼は静かに“描く理由”を見つめ直します。

評価と売れ行きの狭間で迷う日々

編集部から戻ってきた雑誌の売上データを見つめながら、嵩は複雑な表情を浮かべます。

「反響はあるが数字が伸びん。次はもっと派手なテーマを」——そんな編集者の声が頭をよぎります。

けれど、嵩は“注目を集めるための物語”ではなく、“誰かの心に残る物語”を描きたいと思い始めていました。

「俺、何を描きたかったがやろう」——問い直すように、ペンを握り直します。

“今の自分だから描ける物語”とは

ふとした瞬間に、嵩は過去に自分が描きためていたノートをめくります。

そこには、学生時代にのぶとの何気ない会話から生まれた、未完成のキャラクター案。

“悲しみを力に変えるヒーロー”という設定が、今の嵩の心にぴたりと重なります。

苦しみも、孤独も、迷いも抱えたままでも、誰かを守ろうとする存在。

今の自分にしか描けないヒーロー像が、ようやく形を持ちはじめた瞬間でした。

朝ドラ「あんぱん」第117話ネタバレ：草吉の言葉が背中を押す

第117話では、嵩がしののめ堂のパン工房を訪ね、草吉と再び語り合うシーンが描かれました。

いつも無口でぶっきらぼうな草吉ですが、その一言一言には、職人としての誇りと深い情熱が込められています。

嵩はその言葉に導かれ、自身の創作の核心へとまた一歩踏み込んでいきます。

「パンと絵、どっちも“届けもん”やき」

パンを頬張る嵩に向かって、草吉はふとこんなことを言います。

「パンはな、見た目うまくなくても、心込めたら伝わるき。絵も一緒やろ。“届けもん”やきな」

その言葉に嵩は思わず手を止め、目を見開きます。

届ける相手を想って作る——パンも、漫画も、想いを込めてこそ意味がある。

草吉の言葉は、嵩が忘れかけていた創作の核心をそっと引き戻してくれたのです。

嵩が描いた新しいヒーローのシルエット

その夜、嵩は机に向かい、まっさらな原稿用紙に向かいます。

描かれていくのは、街の片隅で静かに立つヒーローの姿。

「この人は、誰にも気づかれんでも、そばにおるがや」

それは派手さも強さもない、けれど確かに誰かを見守る存在。

嵩の描く新しいヒーローは、“目立たない優しさ”を体現するキャラクターとして誕生し始めました。

その原点には、草吉のあんぱんと、のぶの言葉があります。

朝ドラ「あんぱん」第117話ネタバレ：のぶと嵩、それぞれの一歩が未来を照らす

第117話の終盤では、のぶと嵩がそれぞれの場所で、自分の“役割”と“表現”に向き合い、確かな一歩を踏み出す姿が描かれました。

直接会うことはなくても、互いを思い、影響し合っていることが、静かな演出の中から伝わってきます。

記者として、作家として

のぶは、編集部で再び記事に向き合います。

原稿の一文を書き換えながら、口元に小さな笑みを浮かべるのぶ。

「ただの記録やない、“想いを運ぶ言葉”にしたいがよ」——その覚悟が、のぶの筆に宿ります。

記者という仕事を“伝える”から“届ける”へと昇華させる意識の変化が、彼女の文章に温かさを与えていきます。

重なる想いが、再び2人をつなぐ

同じ夜、嵩もまた、自室で原稿に向かい続けています。

そばには、のぶから届いた手紙と草吉のあんぱんの包み紙。

「あんたの言葉で、俺は描けるがや」——そうつぶやきながら、嵩はペンを走らせます。

直接言葉を交わさなくても、互いの存在が“灯”になっているのです。

のぶと嵩、2人の歩みは別々でも、目指している場所は同じであることが、丁寧に描かれていました。

朝ドラ『あんぱん』第117話のネタバレまとめ

第117話は、のぶと嵩が“届ける”という行為の意味を深く見つめ直し、それぞれの表現に確信を持ちはじめる回となりました。

のぶは、誰かの生活の一部となる“言葉”を選び、嵩は、静かに寄り添う“ヒーロー”の姿を描き始めます。

派手さはないけれど、確かに心に届く2人の在り方が、多くの視聴者の胸を打ったことでしょう。

“伝える”という行為の先にある希望

のぶが取材先で受け取った「ありがとう」の言葉。

嵩が草吉の一言から感じ取った“届けもん”という考え方。

それぞれが、自分の表現の奥にある意味に気づき、表現者としての“希望の灯”を胸に抱く展開が印象的でした。

のぶと嵩、それぞれの表現が動き始める

東京と高知、それぞれの場所で文章と絵に向き合う2人。

手紙や記憶、あんぱんの味がそっと背中を押してくれました。

それぞれの方法で誰かを支える、そんな2人の歩みが静かに、でも確かに未来を照らしていきます。

次回、第118話では、この想いがさらにどんな展開を呼ぶのか、期待が高まります。