朝ドラ『あんぱん』第124話ネタバレ！“伝える”覚悟の先に待つ決意とは？

2025年前期のNHK朝ドラ『あんぱん』第124話では、記者としてのぶが踏み出すべき“一歩”と、漫画家としての嵩が背負う“描く責任”が改めて問われました。

草吉のあんぱんに込められた静かなエール、仲間たちの何気ない言葉、そして家族の面影。

2人が向き合ってきた“伝える”という行為の重みが、行動となって形になる決意の一話となりました。

朝ドラ「あんぱん」第124話ネタバレ：のぶ、記事の初稿に込めた“誰かの声”

第124話では、のぶがついに新しい特集記事の初稿を書き上げる姿が描かれました。

それは彼女にとって、ただの仕事ではなく、“誰かの人生を預かる”覚悟の表れでもありました。

文字の一つひとつに、これまで聞き取ってきた“声なき声”が丁寧に刻まれていく過程は、記者としてだけでなく、一人の人間としてのぶの成長を物語っていました。

黙って生きてきた人たちの“本音”を拾う

のぶが取材したのは、戦後もなお差別や偏見にさらされてきた元患者の女性でした。

「私はね、誰にも声をかけられたことなんてなかったのよ。あんたが初めてやったわ」

その言葉がずっと頭に残っていたのぶは、取材メモを何度も見返しながらペンを走らせます。

“聞いた話”ではなく、“生きた実感”を伝える文章を目指し、文章を削り、加え、整えていきます。

記事の中には名前は出ないけれど、確かに“あの人の人生”が宿っている。

その思いが、のぶの手を止めさせることなく前へと導いていきました。

書きながら泣いた夜と、朝の光

深夜、机の明かりの下でのぶはひとり静かに泣きながら原稿を書き進めていました。

「苦しかったろうに、よう語ってくれた…」

原稿用紙に涙が落ち、インクがにじむ。

でもそれは、のぶにとって“痛み”ではなく、“使命”として受け止めた証でした。

やがて夜が明け、朝の光が窓から差し込む中、のぶはペンを置きます。

「やっと、“この声”を世に届けられる」。

のぶの心に射したその朝日は、新たな一歩を祝福するように優しく彼女を包んでいました。

朝ドラ「あんぱん」第124話ネタバレ：嵩、戦争の記憶を“絵”にする苦悩

第124話では、嵩がついに“戦争”というテーマと正面から向き合う様子が描かれました。

これまで避けてきた題材に挑むことで、自分の過去、そして家族の記憶にも触れざるを得なくなる。

“描く”ことが過去の痛みに触れる行為であると同時に、それを受け継ぐ行為でもあると、嵩は少しずつ気づいていきます。

絵にしてはいけないと避け続けたもの

アトリエの机に向かう嵩は、ネームの下描きに手をつけられずにいました。

目の前には、かつて父・清が大切にしていた日記帳と、恩師・座間先生から渡された古い絵本。

「これは、漫画で描いてもええことなんやろうか…？」

嵩の頭に浮かんでいたのは、戦争の中で傷ついた人々の姿だけでなく、語ることすらできずに沈黙していた父の背中でした。

“描いてはいけない”。いつの間にか、そう思い込んでいた自分に気づき、嵩は静かにうつむきます。

「自分にしか描けない」意味を考える

その夜、嵩は父の形見の軍服が入った木箱を開けます。

そこには、少年兵として描かれた家族の似顔絵や、家に宛てた手紙の下書きが残されていました。

「こんなにも伝えたかったのに、誰にも言えんかったがやね」

その思いを受け止めた嵩は、絵筆を手に取ります。

「描くことで、語られなかった人生を引き継ぐことができる」と感じた嵩は、物語の最初の1コマに、少年兵の瞳を描きました。

それは、記録ではなく、“記憶”を描くという選択。

嵩の苦悩と決意が重なり、新たな物語が静かに動き出した瞬間でした。

朝ドラ「あんぱん」第124話ネタバレ：草吉のあんぱんが“覚悟”を後押しする

第124話では、のぶと嵩がそれぞれの表現に向き合うなかで、草吉のあんぱんが無言のエールとして2人をそっと支える印象的なシーンが描かれました。

味だけではなく、“変わらないもの”が人に与える力を象徴する存在として、あんぱんはこの物語の軸を支え続けています。

変わらない味が“進む力”に変わる瞬間

のぶは原稿を提出した帰り道、編集部近くの公園で、草吉から送られてきたあんぱんをかじります。

その瞬間、ふっと肩の力が抜けるように、張り詰めた空気がほどけていきます。

「ああ、変わってない…いつもの味」

味わいに派手さはないけれど、どこまでも優しくて、温かい。

それはまるで、“これでいい”とそっと背中を押してくれるような感覚でした。

のぶの表情は静かにほころび、自然と目が潤みます。

包み紙の小さな落書きに込められた想い

一方、高知では、嵩も仕事場で草吉から差し入れられたあんぱんの包み紙を開きます。

その裏には、炭鉛筆で描かれた小さなアンパンマン風のキャラクターが。

「お前さん、まだ描きゆうか？」——何も言わなかった草吉の代わりに、その落書きが全てを語っていました。

“描くことをやめるな”という、静かで力強いメッセージ。

嵩は包み紙をそっと机の前に貼り、手帳を開いて次の構図を描き始めます。

言葉ではなく、味と線と想いで支える草吉のあんぱんが、2人の決意を確かなものに変えていきました。

朝ドラ「あんぱん」第124話ネタバレ：のぶと嵩、それぞれが選んだ“伝える場所”

第124話では、のぶと嵩がそれぞれ“伝える”という行為に対して、自分なりの場所と方法を選び取る姿が描かれました。

新聞と漫画という異なる表現手段ではあっても、2人の根底にある想いは共鳴しています。

「何を使って届けるか」よりも、「誰に、何を伝えたいか」を問う一話でした。

新聞と漫画、違うけれど同じ使命

のぶは編集部での再校正を終え、ホワイトボードに貼られた見出し原稿を見つめながら、呟きます。

「伝えるって、思った以上に重たい。でも、嬉しいがよね」

記事は文字数の制限もあり、時に切り取らなければならない事実もある。

しかしその中でのぶは、自分が選んだ“言葉”に責任を持とうとします。

一方、嵩もまた、マンガのネームに細かい表情を描き込みながらこう呟きます。

「描くたびに、相手の気持ちを考える。それが、自分にできる“伝える”や」

媒体は違えど、2人は“表現者”として同じ覚悟を共有し始めているのです。

再会の日を見据えた“今日の決意”

物語の最後、のぶはカバンに折りたたんだ原稿をしまいながら、窓の外の空を見上げます。

嵩もまた、夜空に浮かぶ月を見つめながら、完成した1枚目の原稿に「完」と書き入れました。

2人の時間は交差していないはずなのに、同じ空を見上げているような描写が印象的です。

「今はまだ会えんけど、ちゃんと生きて、伝えてる」——そんな“静かな再会への予感”が漂う結びとなりました。

朝ドラ『あんぱん』第124話のネタバレまとめ

第124話では、のぶと嵩がそれぞれの立場で“伝える覚悟”を形にする姿が描かれました。

書くこと、描くこと、それぞれの表現方法の中に、“誰かの声”や“過去の記憶”を丁寧に託していくその過程は、視聴者に深い共感と静かな感動をもたらしました。

声にならない思いをすくい取り、届けるという使命感に満ちた一話となりました。

“伝える”覚悟が形となった記念すべき一話

のぶは、黙って生きてきた人々の言葉を丁寧に綴り、記事という形に仕上げました。

嵩は、長く触れることを避けてきた戦争というテーマを漫画に描き起こす決意を固めました。

2人が選んだ表現の道には、伝えたい“誰か”がはっきりと存在していたのです。

のぶと嵩の心が静かに重なる朝

作中では直接再会することのないのぶと嵩。

それでも、それぞれが選んだ“言葉”と“絵”の道を通じて、どこかで通じ合っているような描写に、多くの視聴者が胸を打たれたことでしょう。

「表現はつながりを生む」——この作品が何度も描いてきたテーマが、また一歩深く刻まれた一話となりました。

“伝える”覚悟を得た2人が、どのように世界と向き合っていくのか、次回以降の展開にも期待が高まります。