朝ドラ『あんぱん』第114話ネタバレ！のぶが直面する現実、嵩の覚悟

2025年度前期のNHK朝ドラ『あんぱん』第23週・第114話では、のぶが東京本社での仕事に慣れ始める一方、“地方出身者”としての疎外感に直面。

一方の嵩は、嵩なりに創作への苦悩と希望を胸に、次なる構想に向けて集中を始めます。

それぞれが別の場所で抱える孤独と向き合いながら、自らの道を信じて歩もうとする姿が描かれました。

朝ドラ「あんぱん」第114話ネタバレ：のぶ、東京本社でぶつかる“壁”

第114話では、のぶが東京本社での現実的な壁に直面する姿が描かれました。

高知でのびのびと取材し、記事を書いていた頃とは違い、都会の空気は時に冷たく、競争も厳しいものでした。

のぶはその空気の中で、改めて“自分が何者で、何を伝えたいのか”を問われることになります。

地方出身者としての偏見と孤独

のぶは職場である編集部の一角で、同僚たちの会話に加わろうとするも、どこか浮いている自分に気づきます。

「高知ではそれで通ったのかもしれないけど、東京じゃ通じない」——そんな言葉が、冗談混じりに投げかけられます。

無意識の偏見に触れたのぶの表情は、一瞬固まります。

けれど、それでも笑って受け流すその姿に、のぶの芯の強さが滲み出ていました。

「高知じゃ通じない」厳しい一言に揺れる

帰宅後、のぶは書きかけの原稿を見つめ、ふと手が止まります。

「東京で何を届けられるがやろ」と、自問する声が漏れる夜。

高知で育った価値観や、地方の目線を信じてきたのぶにとって、“通じない”という言葉は根深く突き刺さったのです。

しかし、その葛藤が彼女を成長させるきっかけになることを、視聴者はすでに知っています。

朝ドラ「あんぱん」第114話ネタバレ：嵩、取材旅行で得た“原風景”に触れる

第114話では、嵩が自身の創作に深みを与えるために向かった取材旅行の様子が描かれました。

訪れたのは、高知の海沿いの町。

そこで見た風景、感じた風、出会った人々の中に、彼が描こうとしていた“ヒーロー”の原点がありました。

高知の海が描かせたヒーローの心

波の音を聞きながらスケッチブックを広げる嵩。

少年時代に訪れた同じ浜辺に座り、かつての自分の姿を想い出します。

「あの時の俺に、誰かが“おるだけでえい”って言うてくれちょったら…」

その言葉が口をついた瞬間、新たなキャラクターの表情が紙の上に生まれました。

戦わず、語らず、ただそばにいる存在——それが嵩の描こうとする“正義”の核なのです。

草吉との再会が背中を押す

帰り際に立ち寄ったのは、しののめ堂。

草吉は何も言わず、嵩の顔を見るなり、店の奥からあんぱんを包んで持ってきます。

「描けたらまた持ってこいや」とだけ呟く草吉。

その一言に、“信じてくれている人がいる”という実感が、嵩の胸に温かく灯ります。

嵩は再び、自分の描きたいものを信じて進む覚悟を、静かに確かめるのでした。

朝ドラ「あんぱん」第114話ネタバレ：のぶ、初の企画会議で意地を見せる

第114話では、のぶが東京本社での初めての企画会議に臨む様子が描かれました。

緊張感の漂う会議室、厳しい空気の中でのぶは、自身の取材経験をもとにした企画を堂々と提案します。

その姿は、都会の壁に怯えていた彼女から一歩踏み出した、確かな成長の証でした。

「私には、現場の声がある」

のぶが提出したのは、高知で出会った主婦たちの小さな声を集めた企画。

「それ、数字取れる？」と冷たく問う上司に対して、のぶは毅然と答えます。

「取れるかどうかは分かりません。けんど、これは確かに“誰かの声”です。無視せんといてほしいがです」

その場は一瞬静まり、周囲の空気が変わっていきます。

のぶの言葉は、現場に根ざした“本当の価値”を問いかけるものでした。

編集長の評価が一転する瞬間

会議が終わり、のぶが資料を片付けていると、編集長が近づいてきます。

「君の視点は独特だ。あの切り口、悪くない」

それはまさに、のぶが東京で“自分の言葉”を認められた瞬間。

一歩引いていた彼女が、ようやく前に立てたという実感が、のぶの目に小さな光を宿らせました。

ただの地方記者ではない、“伝える人”としての覚悟が、確かに動き始めています。

朝ドラ「あんぱん」第114話ネタバレ：嵩、のぶに“届けるつもり”で描き続ける

第114話の終盤では、嵩が再び筆を取り、のぶに届けるつもりで漫画を描き続ける様子が描かれました。

のぶが遠く東京で奮闘する中、嵩はその背中に静かにエールを送るかのように、原稿用紙にペンを走らせていきます。

“描くこと”は、自分のためであり、同時に誰かのためでもある——嵩の創作に対する思いが、また一段深くなった瞬間でした。

離れていても、伝えたいものがある

スケッチブックを開きながら、嵩は静かに語ります。

「そばにおらんなっても、不思議と、あんたに話しかけるように描けるがよ」

のぶがくれた言葉、東京からの手紙、笑いながら泣いた夜。

それらの記憶が、キャラクターのセリフや表情となって、原稿に宿っていきます。

“届けたい誰か”がいることで、描く意味が深まる、そんな創作の核心が嵩の中で静かに息づいています。

「このページ、あんたに見せたかった」

完成した1ページを見つめながら、嵩はつぶやきます。

「これ、あんたに見せたかったがや。けんど…まだ、送かん」

その理由は、“もっと良いものに仕上げたい”という静かな闘志からでした。

のぶへの尊敬、感謝、そして友情のような想いが、彼の筆を支えているのです。

嵩は、のぶに誇れる作品を描くことが、今の自分にできる最大の返礼だと信じているのでした。

朝ドラ『あんぱん』第114話のネタバレまとめ

第114話では、のぶと嵩がそれぞれの現場で“伝える”ということに真正面から向き合う姿が描かれました。

のぶは、東京本社の厳しい空気の中で自分の言葉を貫き、嵩は、高知の風景と思いを胸に、物語を描き続けています。

離れていても、心の中で励まし合っている2人の姿が印象深く描かれた回でした。

“都会の壁”に挑むのぶの意志

東京でのぶが感じた疎外感と偏見。

しかしそれを乗り越えて、初の企画会議で意地を見せたことで、彼女は“記者としての自分”を一歩確かに前に進めました。

「私は、現場の声を知っている」——その言葉が、本社の空気に確かなインパクトを与えました。

“描く意味”を深めた嵩の覚悟

嵩は、取材旅行と草吉との再会を通して、自身の作品に込める意味を再確認。

そして今は、のぶに届けるつもりで一枚一枚を丁寧に描いている日々。

「このページ、あんたに見せたかった」——その一言に、彼の真摯な創作姿勢が込められていました。

それぞれが、それぞれの場所で。

夢を叶えるというより、夢と共に生きる2人の現在が、今週も静かに、しかし力強く進んでいます。